『秋田市』江戸の商家に響く夏の涼音。秋田市旭南「旧松倉家住宅」で出会った風鈴の音と、竿燈の歴史を感じるひととき。

秋田市旭南、住宅街の中にひっそりと佇む「旧松倉家住宅」。江戸時代後期に廻船問屋として栄えた松倉家の住まい兼店舗は、秋田市指定有形文化財として今も大切に守られています。

格子戸をくぐると、町家ならではの奥行きある造りが広がり、まるで時がゆっくりと巻き戻されるよう。

この日は、秋田公立美術大学の学生たちが飾りつけた風鈴が軒先を彩っていました。
色とりどりの風鈴が夏の陽を受け、風が吹くたびに「チリン…」と涼やかな音を響かせます。その音は、日常の慌ただしさをふと忘れさせ、胸の奥まで染みわたるような心地よさ。

館内では、秋田の夏の風物詩「竿燈まつり」の歴史を紹介する展示も開催中。迫力ある写真や昔の道具、まつりの由来などを通じて、今に続く熱気と誇りを感じられます。

また、この趣ある和室は時間貸しもされており、小規模なイベントや撮影、打ち合わせにも利用可能とのこと。

歴史を抱く空間で、風鈴の音と竿燈の記憶に包まれたひととき。
ここで過ごす時間は、現代の喧騒から一歩離れ、ゆったりとした“夏の余白”を味わわせてくれます。

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